当コラム文中記載の”エイジングケア”という表現は、
年齢に応じたケアを指します。
 
 

30代半ば、慌ただしく過ぎていく日々の中、ふと鏡を見つめるとなんだか疲れ顔な私。「もしかして、年齢にも増して老けて見える?」なんて心のざわつきを感じながら過ごしています。

「歳だからしょうがない」と諦めるのではなく、年齢を重ねても美しくありたいのが本音。どうケアしたらいいのか考えたとき、ケアの仕方が20代の頃からアップデートされていないことに気が付きました。

…年齢に応じたエイジングケアをすることで、年齢相応の私を楽しめるはず。

 

老けた印象にならないため、つい顔の悩みに目を向けてしまいがちですが、印象を決める大切な要素の一つは髪の毛。

年齢を重ねるにつれ、白髪の増加、細毛や薄毛によるボリューム不足、パサつきなど、複合的になる髪のエイジングサインが気になってきます。普段のお手入れではどのようなケアをしたらいいのでしょうか。

そこで、当店で人気のヘアケアブランド「ラ・カスタ」のオフィシャルヘッドセラピストである細川さんに話を聞いてみることにしました。

 

プロフィール紹介

 

ラ・カスタ銀座本店でヘッドスパセラピストを務めながら技術指導も行っている細川さん。書籍「解決! 大人の髪のSOS」(講談社)を執筆され、著書の中では、髪と頭皮のトラブルの原因や解決法、悩みを解決するスタイリング方法などが綴られています。

今回はヘアケアのプロである細川さんに、髪の正しいエイジングケアやおすすめの頭皮マッサージの方法など話を伺いました。

お話してくださったのは…
ラ・カスタ オフィシャル ヘッドセラピスト
細川ひろ子さん
 
都内サロンに勤務後、単身渡仏。欧州の高い美容感性・知識を習得しパリコレクションを経験、帰国。現在は、ラ・カスタ 銀座本店でメインセラピストを務めながら、イベントやテレビ出演、NHKセミナーなど幅広く活躍。

専属技術インストラクターとしての技術指導、専門知識の提供も行う。

 

ヘアケアの悩みが出た時、ヘアケアに使うアイテムを変えるという人は多いはず。しかし、「まずはケアの仕方を変えてみることが、改善への近道」だと細川さんはおっしゃいます。

毎日いろんな方の頭皮を見させていただいておりますが、意外と頭皮の皮脂詰まりが無くしっかり洗えている方は少ないんです」と細川さん。

頭皮の汚れを落とすことが健やかな新しい髪を育てる事につながるのだそうです。

そんな細川さんのヘアケアルーティンには、汚れを落としやすくするため多くの工夫がされていました。

前編では、毎日自宅でできる、細川さんが実際に行っているヘアケアルーティンをご紹介します。

 
 

ヘッドセラピストのヘアケアルーティン

 

routine 01 . お風呂前にブラッシング

入浴前のブラッシングは、髪の絡まりをほぐし、頭皮の血行を促進し、リフトケアが期待できます。

生え際からつむじに向けてブラッシングすることで、頭皮のこりが軽減され、毛細血管の流れが良くなります。
入浴前にブラッシングすることで皮脂詰まりが浮きやすくなります。

細川さん
 
「絡まっている髪を根本から急にブラッシングをしてしまうと、引っ張ってしまい、抜け毛や切れ毛の原因になるため、まずは毛先を丁寧にブラッシングします。
スムーズになったら、中間あたりからブラッシングし、その後生え際からつむじに向かってブラッシングを行います。ぐっとおでこのシワを引き上げて、リフトアップするイメージで。目尻を引き上げるように、つむじに向かってブラッシングをします。
後頭部も同じく、うなじからつむじへ。ポニーテールをするようなイメージですね。前、右、後ろ、左、でひと周り。これを3周行います。」
 

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– POINT –

毛細血管の血流の流れがいい人、健康な人は青白い頭皮をしています。

凝りがあるなど、血流の流れが悪い人は頭皮が赤みがかった色をしていますよ。
一度鏡でチェックしてみたり、ご家族やお友達と確認し合ってみて下さいね。

 

routine 02 . 週1の頭皮クレンジングで皮脂汚れをしっかり落とす

頭皮用のクレンジング剤を馴染ませ、2~3分マッサージし、その後すすぎます。

毎日のシャンプーでは落としきれない毛穴に詰まった汚れや皮脂を取り除きます。

 

 
細川さん
 

「週に1回だけ、シャンプー前に頭皮クレンジングを行います。
においの原因の一つは、蓄積された皮脂が酸化して発生するものなので、この皮脂詰まりをなるべく落としてあげることがとても大切なんです。

 

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routine 03 . 予洗いはしっかり60秒

シャンプー前の予洗いも、大切な工程の一つ。しっかりと予洗いをして、頭皮と髪の毛全体を濡らします。

予洗いが不十分で髪の毛が十分に濡れていない状態でシャンプーをすると、摩擦によるダメージで髪が傷んでしまう原因になります。

 
細川さん
 
「ぬるま湯*で60〜90秒予洗いします。シャワーヘッドを頭皮に直当てし、シャワーの水圧で頭皮をしっかり洗ってあげるとさらに毛穴が開きやすくなりますよ。」

* ぬるま湯:37度くらいのシャワーでしっかりと髪の毛を濡らして予洗いをしてください。水温は40度を超えると少し熱すぎるので、頭皮の乾燥の原因になってしまいます。

 

routine 04 . シャンプーで泡を立てながら汚れを落とす

予洗い後、シャンプーをしっかりと泡立て、頭皮と髪の毛を洗います。汚れを掻き出すため、シャンプーブラシを使用して、特に頭皮のTゾーンである生え際や頭頂部をブラッシングします。反対に、乾燥しやすい側頭部や後頭部は普通に洗います。

 

日々の汚れはその日のうちに取り除くようにしましょう。

シャンプー前に湯船にゆっくり浸かり、毛穴を開かせることで汚れがより落ちるようになります。

 
細川さん
 
「シャンプーを塗布する時にしがちなのが、泡を立てずにそのまま地肌を洗い始めること。
例えば、油で汚れたお皿を洗う時、洗剤を泡立てないままスポンジで擦ってもなかなか汚れ落ちがよくないですよね?髪の毛も同じで、泡立てずに洗っても、皮脂汚れはなかなか落ちてくれません。
シャンプーを手に馴染ませたら、髪の毛を使って、空気を含むようにして泡を作ります。きめ細かいモコモコ泡ができたら、指の腹で地肌を擦るように洗います。」
 

この時に、その日の疲れに応じて頭皮マッサージをするのもおすすめ。パソコンで目が疲れた時は側頭部を、肩が凝ったら後頭部をマッサージしてあげるとリラックスできますよ。

シャンプー時間は、マッサージも含めて約3分ほど。入念なケアは時間がかかってしまいそうですが、慣れてしまえばそんなに時間はかからないそうです。

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– POINT –

頭皮の毛穴は大きく、顔の2倍~3倍の皮脂量があります。

そのため、洗顔料よりシャンプーの方が皮脂吸着力が強い洗浄成分になっています。

 

routine 05 . すすぎはシャンプーと同じくらい時間をかけて

シャンプー後は、しっかりすすぎます。
シャンプーに約3分、すすぎに3分〜5分かけて落ちた汚れを洗い流します。 (すすぎは、シャンプーにかけた時間の倍の時間を目安にしてください。)

すすぎ残しがあると、頭皮トラブルやにおいの原因になってしまうので、丁寧に行いましょう。

 
細川さん
 
しっかりすすいであげることで、髪に艶が出ます。地肌と根元付近は軋むくらいまですすいであげるとボリュームやツヤが出ますよ。
60代以降の頭皮の乾燥が気になる方は、かゆみやにおいが気にならなければ1日おきの洗髪でも問題ありません。」

 

routine 06 . トリートメントで髪の毛に美容成分を与える

まずダメージの多い毛先に重点的にトリートメントを揉み込みます。その後、中間から毛先に向かって、少しずつ引っ張りながらトリートメントを馴染ませていきます。

最後に表面に馴染ませ、髪の毛に満遍なく塗布できるようコーミングをします。絡まりを取ることで、乾かした後の髪の指通りが良くなります。

 
細川さん
 
「その方の髪質や、なりたい質感によって、トリートメントやコンディショナーを使い分けるのがおすすめです。
私の場合は毎日トリートメントをして、週に一度だけ集中トリートメントとしてヘアマスクを使用しています。ヘアマスクを3分〜5分塗布したままにしてホットタオルを巻いて蒸してから洗い流すのですが、温かくすることでよりトリートメント効果が高まるんです。

 

髪にボリュームが欲しい方は、トリートメントはあまり根元につけない方がボリュームが出やすく、重みのある髪にしたい方は、毎日トリートメントを表面まで塗布するといいそうです。
ハリコシが欲しい方は、普段はコンディショナーを使用し、トリートメントは週1回にしても大丈夫です。

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リンス、コンディショナー、トリートメント、マスク…
それぞれどう違うの?

リンス:髪の毛をコーティングするもの。
コンディショナー:リンスに保湿力をプラスしたもの。
こちらは、塗布後すぐにすすいでも効果があります。

トリートメント:タンパク質が入っているダメージ補修向けのもの。
マスク:成分濃度が高く、トリートメントの効果をさらにアップさせるもの。
こちらは、塗布後3分~5分集中トリートメントをすると効果的です。

髪のお悩みが特に無い方であれば、リンスやコンディショナーでも十分です◎

 

routine 07 . お風呂から出たら、お顔と同じようにしっかり保湿

頭皮用化粧水を頭皮全体に10~20プッシュ程スプレーし、しっかりと馴染ませます。指の腹を寝かせて、優しく頭皮マッサージをしてあげましょう。(マッサージ方法については、後編でご紹介!)

頭皮用化粧水でしっかり保湿した後は、髪の毛用美容液を塗布し、ドライヤーで乾かします。

 
細川さん
 
「髪の毛はドライヤーで完全に乾かしてください。まず頭皮を乾かし、髪を乾かします。湿ったままでいると、頭皮の菌が増えたり、髪の傷みや枝毛、切れ毛に繋がってしまいます。
最後にドライヤーで冷風を当てるとツヤ感がアップし、翌日寝癖がつきにくくなりますよ。」

 

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最後に

インタビュー後、早速「スキャルプクレンジングリファイン」を使い始めるようになりました。頭皮クレンジングは初めてでしたが、ヘッドスパをしてもらった後のように頭が心地よかったので、これから私の愛用品になりそうです。

 

今回は、毎日おうちで行えるヘアケアについて、細川さんのルーティンを元にご紹介させていただきましたが、月に一回プロにしてもらうヘッドスパも大切だそうです。
顔のエステと同じように頭皮と髪の毛にもスペシャルケアをしてあげるといいですね。

 

人の印象を左右する「髪」の悩みは、白髪や抜け毛、ボリューム・ツヤ・ハリが無いなど人によって様々ですが、まず大切なのは「頭皮を健やかに保つこと」でした。

毎日の皮脂汚れはしっかりその日のうちに取り除くようにして、
現在の髪の状態だけでなく、これから生えてくる髪のためにも、日々のケアを見直してみましょう。

美容のプロである細川さんのルーティンを参考に、「頭皮を保湿してみよう」「湯船に浸かってから髪を洗おう」など、自分が始められるケア方法を見つけ、ぜひできそうなものから実践してみてくださいね。

 

次回は、頭皮マッサージ法や頭皮洗浄が大切な理由についてご紹介します。お楽しみに♪

 

【サンテラボ編集部】スタッフ ウッドゲット